ある相続事件簿から

query_builder 2020/11/20
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竹野総合事務所


依頼者は、不動産を沢山所有する農家の相続人。

父親が亡くなり母親と二人の兄弟が相続人。

既に、遺産分割の内容は大方話し合いがついており、不動産の登記を目的としていた。

しかし、遺産の総額からするとそれなりの相続税がかかることは間違いないので、税理士を紹介し相続税の申告をしてもらうことになった。

不動産は農地以外にも多目的に使用され、一部には太陽光が設置されその借り入れもあった。

税理士には、それらを網羅した遺産分割協議書を作成してもらい、それに基づいて相続登記を入れる予定でいた。

依頼者は相続申告義務期限10カ月を念頭に書類準備を進めていたが、先日、弟が取得する不動産についている根抵当権者(銀行)から6カ月以内に相続の名義変更しないと、根抵当権を付け直すことになる、と言われたとの事で、慌てた電話があった。

そこで、税理士にその旨伝えたが、申告までにはまだ時間がかかるとの事で、取り合えず、弟が取得する不動産の遺産分割協議書を作成し、一部不動産の相続登記を先行することになった。

税理士によれば、近年、金融機関が担保物件について6カ月以内の相続を求めているようで、遅れると担保を一旦抹消して再度設定し直す傾向にあるとか。

相続人からは、問題なく協議書に署名、押印をもらい登記は完了した。

実務的にはこれまでも、本事例のように遺産の一部分割も認められてきたが、

昨年の民法改正により以下の通り明文化された。

(民)907条  平成3171日施行

共同相続人は、次条の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の全部又は一部の分割をすることができる。       

協議全般に時間を要す場合など、本事例のように、合意がなされた範囲内の一部分割協議を利用するのも一案である。


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